2014年10月29日水曜日


第一  年来稽古条々
七 歳
 一、この芸において、大方七歳をもて初めとす。このころの能の稽古、かならずその者しぜんといたすことに得 たる風体あるべし。舞・はたらきの間、音曲、もしは、怒れることなどにてもあれ、ふとしいださんかかりを、う ちまかせて心のままにせさすべし。さのみに、善き悪しきとは、教ふべからず。あまりにいたく諫むれば、童は気 を失いて、能ものぐさくなりたちぬれば、やがて能はとまるなり。ただ、音曲・はたらき・舞などならではせさす べからず。さのみのものまねはたといすべくとも、教ふまじきなり。大場などの脇の申楽には立つべからず。三番 ・四番の、時分のよからんずるに、得たらん風体をせさすべし。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿